
二軒茶屋餅角屋本店「ISEKADO PALE ALE」 — 参宮客の茶屋が450年かけてたどり着いた一本
伊勢神宮へ舟で参る人をもてなす茶屋として、天正3年に創業。餅屋が味噌溜りを仕込み、やがてビールを醸すまで。450年続く商いと、看板のペールエールを紹介します。
三重県伊勢市に、天正3年(1575年)創業の餅屋があります。二軒茶屋餅角屋本店。その同じ会社が、いま国際的な審査会でメダルを重ねるクラフトビールを醸しています。
まちもぐに掲載されているのは「ISEKADO PALE ALE」。350ml、常温保存、賞味期限270日です。
舟を降りた人に、餅を出す商売から
会社の名前は、そのまま土地の名前です。
かつて伊勢神宮への参拝には、舟で参る「舟参宮」という道筋がありました。尾張・三河・遠州方面から海を渡ってきた参拝者は「道者」と呼ばれ、笛や太鼓を鳴らしながら勢田川を遡っていく姿から「どんどこさん」とも呼ばれたといいます。
その勢田川の船着き場に、鈴木家の先祖である「角屋」が茶屋を開いたのが1575年。同じ場所には「湊屋」という茶屋もあり、二軒あることから一帯が「二軒茶屋」と呼ばれるようになりました。町の名前が先にあったのではなく、店が二軒あったから町の名前になったのです。
ここは勢田川と旧二見街道の接点で、舟を降りればすぐ外宮にも内宮にも向かえ、旅籠で賑わう古市へも近い。参宮客にとって都合のいい場所でした。そこで出されたのが、きな粉をまぶした餅、二軒茶屋餅です。
その後、大正12年(1923年)に18代目当主・鈴木藤吉が味噌・溜りの醸造を始めます。平成6年(1994年)に20代目・鈴木宗一郎のときに法人化。そして平成9年(1997年)、21代目・鈴木成宗が伊勢角屋麦酒を創業しました。現在、同社は餅・味噌溜り・ビールという3部門で成り立っています。
ビール参入の動機が面白いところです。成宗さんは東北大学で微生物を研究しており、「ビールを造れば、また微生物と遊べる」という思いから参入を即決した、と同社は記しています。
ど真ん中のペールエール
「ISEKADO PALE ALE」を、同社は「最強バランス。ど真ん中のペールエール。」と紹介しています。
パッションフルーツとグレープフルーツを思わせる爽快なホップの香り。クリーンで豊かなフレーバー、切れのいい後口とクリアな苦み。理想のアメリカン・ペールエールを目指した、バランスに優れたストレートなビールです。
1997年の創業以来の人気No.1にして、磨き上げてきたフラッグシップ。ファンからは「イセペ」の愛称で呼ばれ、「イセペに始まり、イセペに帰る」、このビールで乾杯し、最後の一杯もこれで締めるという飲み方を語る人もいるそうです。
同社が公表している受賞歴も、この一本に集まっています。2003年のAustralian International Beer Awardsで金賞とベストオブクラスを獲得。同社によれば、日本企業として初の金賞でした。英国のThe International Brewing Awardsでは2017年・2019年・2024年に金賞。2024年のInternational Beer Cupでも金賞を受け、これまでのメダル受賞は41回にのぼるとのことです。
合わせる料理として同社がすすめるのは、クリームソースを使った肉料理。穏やかな苦みとほどよいコクが、バターの風味や素材の旨さを引き立てます。もう一つの提案は、茹でたての枝豆。看板商品らしく、特別な日にも普段の食卓にも置ける振れ幅があります。
参宮の道が残した、保存と発酵の技術
江戸時代、「お伊勢参り」は庶民の一大旅行でした。全国から人が集まり、街道沿いには宿と茶屋が並び、土産物が育っていきます。日持ちのする餅菓子が発達したのも、旅人が持ち帰れる形が求められたからです。伊勢の食文化は、この「外から来る人をもてなす」構造の上に積み上がってきました。
同時に伊勢は、温暖な気候と豊かな水に恵まれ、醸造に向いた土地でもありました。味噌や溜りの醸造は、微生物の働きを読み、温度と時間を管理する仕事です。餅屋が大正期に醸造業へ踏み出したことは、余技ではなく、参宮客相手の商いで培った「保存と加工」の延長線上にありました。
そして1997年、その蓄積の先にビールが加わります。原料も工程も違いますが、微生物を扱い、発酵を管理し、毎回同じ品質に着地させるという骨格は味噌・溜りと変わりません。同社が「シンプルだからこそ、品質の安定と向上に日々取り組んでいます」と書くとき、そこには450年分の商いの姿勢が乗っています。
旅人に餅を出した店が、味噌を仕込み、いま世界の審査会でメダルを重ねるビールを送り出している。伊勢という土地が「人をもてなすための食」を磨き続けてきたことの、ひとつの到達点だと思います。
本店の周辺には、蔵を活用して民具や道具を展示する民具館、伊勢角屋麦酒や味噌・醤油を求められる麦酒蔵、昔ながらの醸造風景が見られる味噌蔵が並んでいます。三つの事業が同じ敷地に共存している風景そのものが、この会社の歴史の断面です。
まとめ
派手な変化球ではなく、ど真ん中を磨き続けた一本。飲食店の定番として置くにも、伊勢土産として渡すにも通用するペールエールです。450年続く餅屋がつくっているという背景は、それだけで売り場の一言になります。
ISEKADO PALE ALEは、まちもぐの商品ページからご覧いただけます。
https://machimogu.jp/product/c2b4607a-8777-4c6f-b548-982e94830180
20歳未満の方の飲酒は法律で禁止されています。飲酒運転は絶対にやめましょう。
商品DATA(まちもぐ掲載情報)
商品名:ISEKADO PALE ALE/容量:350ml/保存:常温/賞味期限:270日/分類:クラフトビール(アメリカン・ペールエール)
サプライヤー:有限会社二軒茶屋餅角屋本店(三重県伊勢市)/産地表示:三重県伊勢市
受賞歴(同社公表):The International Brewing Awards 2017・2019・2024 金賞、International Beer Cup 2024 金賞、Australian International Beer Awards 2003 金賞・ベストオブクラス ほか、メダル受賞41回
価格・ロット・取引条件は、まちもぐの各商品ページをご確認ください。
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※ 本記事はまちもぐ運営事務局が制作しています。商品情報はまちもぐの掲載データおよび各社の公表内容に基づいています。



